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868. スチュアート・ダイベック 夜鷹 (画家小説百選)

Nighthawks1942.jpg

ホッパーの作品を  『あれは絵じゃない、映画だよ』 と評したのは、バルテュスである。では、ダイベックは、どう見たのか。
ホッパーの「Nighthawks」(1942)という作品を素材として、ダイベックは同じタイトルの小説を書いている。これを読むと、バルテュスのような芸術論としてではなく、ダイベックはこの絵からひとつの都市論を思い起こしたのだと思う。自分が生きてきた街の光景としてこの絵をとらえたうえで、シカゴ人たちが蠢く街の姿を小説として描いてみせようとしたのだと思ってみたりする。

遅かれ早かれ、すべての不眠症患者がいずれは行きつく、終夜営業の食堂がある。冬のあいだ、道端に雪が吹き積もると、不眠症患者たちはさんざ踏みならされた交差点を渡り、やがて自分の靴にぴったり合う足跡に出会って、それに導かれるまま、食堂にたどり着く。夏のあいだの、今夜のような夜には、食堂の一角にともる明かりが、そこ以外は真っ暗なこの街角に、彼らを蛾のように引き寄せる。
(「夜鷹」、柴田元幸訳)


連作掌編のような形態をとる「夜鷹」という作品は、ダイベックの第二短編集『シカゴ育ち』(1990)に所収されている。
シカゴ(の下町)に生まれた少年たちを描くこの作品集は、作家自身のシカゴ時代を題材にしたものだというのだが、読みはじめるとすぐにこの街の魅力に取りつかれてしまって、どうしようもなくシカゴという街に出かけていきたくなる。できることなら、時間を巻き戻して、シカゴで少年時代を過ごしてみたくもなる。その街は、少々危険がすぎる場所なのかもしれないが、それでも、人を惹きつけてしまう魅力にあふれている。そして、そこには、とびきりの美術館があったりもするのだから。


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はじめまして。
こちらのブログはまるで素敵な図書館&美術館ですね。
斬新なカテゴライズで流麗な文章で本を紹介されて、かたっぱしから読みたくなって仕方がありません。
階段の端っこに座ってできれば猫を抱いて読みふけりたいです。
今後ともよろしくお願いします。

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