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871.レイニー・テイラー 煙と骨の魔法少女 (画家小説百選)

煙と骨の魔法少女  魔法少女、Yukorabb.it


レイニー・テイラーの「煙と骨の魔法少女」(2011)は、美術学校で絵を学ぶ少女 "カルー" を主人公とした三部作の第一巻である。アメリカでは既に第三巻まで刊行済み。邦訳は、ハヤカワ文庫。 "話題"のヤングアダルト・ファンタジーだというのだが・・・、

カルーは立ちあがり、アキヴァが両手で持っていたグラスを取り、明かりを消した。翼があるだけで充分明るくて、絵を描くこともできそうだ。カルーはスケッチブックと鉛筆を取りだし、アキヴァが、その巨大な翼の中央で眠っているところを描いた。それから記憶を頼りに、目を開けた顔も描いた。正確な目の形を描きたかった。目の周りを縁取る真っ黒なアイラインを表現するのに木炭を使うと、なんとも魅惑的な感じが出る。燃えるような瞳に色をつけないでおくことができなくなり、水彩絵の具のセットを取りだして色を塗った。かなり長い間描いたり色を塗ったりしていたが、アキヴァは動かなかった。胸が静かに上下し、翼がちらちらとゆらめくくらいだ。その光のおかげで、部屋は炎が燃えているように明るかった。
(桑原洋子訳、ハヤカワ文庫)


話題のヤングアダルト・ファンタジーと銘打って刊行される作品は数多いが、当然ながら、それが大人の鑑賞に堪えうるかは別問題である。当たり前のことだが、玉石混淆しているからであるし、当たり前だが、石のほうが圧倒的に多いからである。
では、この「煙と骨の魔法少女」についてはどうかといえば、第一巻を読んだ限りでは、"いい大人"が読んでもぎりぎり大丈夫だと思う。最近の例で比較すると、「レッド・データ・ガール」にはちょっと届かないだろうが、ひょっとすると「時間旅行者・グウェンドリン」シリーズくらいは楽しませてくれるのではないか。魔法と少女、天使とキメラ、ロマンスとトラジディ、惹句がいっぱいに詰まり過ぎであるにしても、それが心地よいこともある。第二巻、三巻を楽しく待とうと思う。

表紙イラストは、Yuko Rabbit。物語にぴったりの調子だと思う。英語版よりも断然こちらがいいなぁと、表紙を眺めていたら、同じハヤカワ文庫FTの『ゲイルズバーグの春を愛す』 の内田善美のイラストを思い出した。あれも、よかったなあ。




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