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878. オスカー・ワイルド ドリアン・グレイの肖像 (画家小説百選)


Oscar Wilde



ワイルドの「ドリアン・グレイの肖像」(1891)が、示そうとしていることは明瞭である。
作品の冒頭に"画家の序文"という文章が掲げられていて、ドリアンの肖像画を描いたバジル・ホールウォードがこの物語の主題をストレートに語ってくれているからだ。

「あんなすばらしい人間が年をとってしまうとは、なんという傷ましいことだ」 歎息まじりにワイルドが言った。
「まったくだ」とわたしは答えた。「もし『ドリアン』がいつまでもいまのままでいて、代りに肖像画のほうが年をとり、萎びてゆくのだったら、どんなにすばらしいだろう。そうなるものならなあ!」
(福田恆存訳)


極言すれば、この物語は、ほんとうにそれだけの話である。
ただそれだけの話を、文庫版で、約300ページの小説に仕立ててゆく。作家のそのみごとな手腕や遣り口を、ただ愉しめばいいのである。最近、円城塔の作品を読んだりしているものだから、どうもこころが捻くれてしまっていけない。すべての小説がこんなふうに冒頭で主題を明らかにし、そしてその通りに物語が進行していくのだとしたら、どんなに読者は楽だろうか。「ドリアン・グレイの肖像」はそんなことを考えさせてくれる小説である、かもしれない。


この小説は、サイレント時代を除いて、三度、映画化された。
ポイントは、”ドリアン”役を誰が演じるかというところだろうか。
09年の作品ではベン・バーンズ、70年はヘルムート・バーガー、45年はH・ハットフィールドが演じている。
いずれも美貌の主人公役にふさわしいと言えるのかもしれないが、原作の魅力と比較するとどうしても違和感が残ったりする。それだけ小説のもつ力が強かったということか。
ちなみに、日本では96年に宝塚歌劇団が舞台化している。
ドリアン役は、紫吹淳である。
ああ、天海さんならともかく!




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