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880. フレドリック・ブラウン 漫画家とスヌーク皇帝 (画家小説百選)

Nightmares and Geezenstacks


フレドリック・ブラウンの「漫画家とスヌーク皇帝」は、SF短編集『Nightmares and Geezenstacks(未来世紀から来た男)』(1961) に所収の一篇。この作品には、”マック・レナルズと共作”、という括弧書きが付せられている。
マック・レナルズって誰だったっけ?というのはともかくとして、「漫画家とスヌーク皇帝」は短篇というより掌編、SFというよりかるーいコントのような作品である。もちろん、短く軽いといっても心配は無用、そこはフレドリック・ブラウンのこと、ありがたいことに、クスリと笑わせてくれる。

 ビル・ガリガンの私書箱には手紙が六通入っていた。だが封筒を一瞥しただけで、どれも小切手でないことが彼にはわかった。漫画になりそうなネタを、ギャグ作者のタマゴが送って来たもの、十中八九ものにならないのだ。
 彼はそれらの手紙を開こうともせずに、煉瓦造りの小屋に持って入った。この小屋を彼はスタジオと称している。彼は自慢にならない帽子を二芯の石油ストーブの上にポイと投げた。そして食卓兼製図机にしているガタガタのテーブルの前の椅子に腰を下ろして、椅子の脚に自分の脚を巻きつけた。
 この前、作品が売れてからずいぶんたつので、金になりそうなネタがこの中に入っているといいがと   あえて期待はしていないが   彼はそう願った。奇跡は起こるものだ。
(小西宏訳)


邦訳は、短編集『未来世紀から来た男』(1963)、創元文庫。
250ページの本に約40篇が収録されている。短い掌編のような作品が多い。ショートショート集と言ってもいい。ゆるーいのだが、それでいて、「新鮮なアイデア、簡潔なプロット、意外な結末」を備えていて飽きさせない。全般にブラックではあるがシニカルではなく、格調は低いが軽快さは高い。ちょっと電車で一時間くらい出かけるときに持っていくのにちょうどいい。星新一さんの作品がシニカルすぎて辛いと感じるような軟弱な読書子にはぴったりだと思う。50年も前の作品で、古めかしいところも零ではないが、それも含めて良きSF小説の雰囲気を醸し出している。古典だと思えばその古めかしさも魅力に変わってしまうのである。



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