890. ブルース・スターリング 江戸の花 (画家小説百選)

SFマガジン、創刊700号記念アンソロジー、海外篇、山岸真(編)  ミステリマガジン創刊700号記念アンソロジー、海外篇、杉江松恋(編)


SFマガジンとミステリマガジンが、共に、「創刊700号記念アンソロジー」を刊行した。
SFマガジンの海外篇の編者は山岸真、ミステリマガジンの海外篇は杉江松恋で、雑誌掲載分の翻訳短篇のうち、主に単行本未収録の作品を選んだ傑作集である。それぞれ十数篇が収録されているが、さすがに名手揃い、思いがけず笑わせられたり、期待通り唸らせられたり、どの作品も大いに愉しませてくれる。


SFマガジン、1986,10

ブルース・スターリングの「江戸の花」(1986)も、たのしませてくれた一篇である。
(『SFマガジン700』、海外篇に所収)
物語の舞台は、明治初期、登場するのは絵師の月岡芳年と落語家の三遊亭円朝。
江戸がリセットされて東京に生まれかわったように、血まみれ芳年と称された彼の画業もリセットされ、今は政治漫画や風刺画などを描く"新聞のさし絵師"である。円朝もまた、ただの巧い噺家ではなく、"いきいきした民衆の日常的表現を用いて写実的文体をつくりだした"などと評される文化人になっている。
そして、そんな文明開化と近代人の息吹がいっぱいにあふれる東京の街を、黒い視線で上空から見下ろすものがいた。    要約すれば、これはそんな話である。


P.S.  ミステリマガジンのアンソロジーでは、フレドリック・ブラウンの「終列車」(1950)に唸らせられた。
しかし、この作品はまぎれもなく"SF"であって、"ミステリ"ではないと思うのだが、どうか。 「なんの変哲もない内容なのに強い余韻をもって迫ってくるミステリ」、だとかって読み違えてる読者がたくさんいるというのは本当だろうか。




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