スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

☆ 699. 無垢の博物館 (ミュージアムの階段)

無垢の博物館


オルハン・パムクの長篇、「無垢の博物館」(2008)、小説の舞台は1970年代のトルコ、イスタンブール。
登場するのはケマル、三十代の男、これは彼の愛の物語である。
物語の途中で、彼が愛する女性の為に、映画製作に関わる場面がある。
その社名は「レモン映画製作社」。
いい名前だなぁ。レモンとは、彼女が飼っていたカナリアの名前なのだという。

トルコ初のフルーツ味サイダー、メルテム。その新聞広告やテレビコマーシャル、あるいはイチゴや桃、オレンジにサクランボといった味の実際の製品がわたしの博物館には展示してある。あのころの満ち足りていて愉快な、そして溌剌とした雰囲気や、脳天気さを思い出させてくれるからだ。
(宮下遼訳)


”博物館”とは、後に、彼が愛した女性の持物や思い出の品を展示するために作った私設博物館を指す。
”フルーツ味のサイダー”は、まさに恋愛が始まった頃の彼の気分を象徴するアイテムとして示されている。物語の最後にも、このサイダーにまつわる小さなエピソードが登場してくるのだが、それがすこし哀しい。

そして、驚くべきことに、2012年にこの博物館は実際のものとなった。
イスタンブールの新たな観光名所となっているという。
画像は、このミュージアムの階段である。

フィクションの中のものだった筈のミュージアムが、こうして現実のものになって現れてくる。
もちろんわたしはこれが前例になればよいと思っている。    キャロルの犬博物館、ミルハウザーのバーナム博物館、マンディアルグの黒い美術館、イーザウの盗まれた記憶の博物館、ディックの顔のない博物館等々、ぜーんぶ現実のものになってあらわれて一堂に会しちゃったりしてテーマパークみたいになってしまったとしたら・・・、ああどんなに愉しいだろうか。



にほんブログ村 本ブログ 海外文学へ




関連記事
スポンサーサイト

⇒comment

Secret

被災地の学生を応援しよう!
プロフィール

jacksbeans

Author:jacksbeans
ようこそ!
記事のカテゴリ区分は、
①自転車、②図書室、③青、④メキシコ、⑤フルーツ、⑥階段、⑦画家、⑧スープ、⑨音楽、⑩綠、です



にほんブログ村 本ブログへ

ブログ村ランキング参加中、
クリックしていただけると幸いです。

カテゴリ
月別アーカイブ
04  12  09  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04 
検索フォーム
最新コメント
最新記事
PVアクセスランキング/海外文学
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。