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513.土のスープと草の列 (Today's Soup)

(C) 2012「グスコーブドリの伝記」製作委員会,ますむらひろし
((C) 2012「グスコーブドリの伝記」製作委員会/ますむらひろし)


宮沢賢治の『春と修羅』(1922-23)を読んでいる。
賢治の作品で、「スープ」が登場してきてほしいと思うなら、銀河鉄道の夜かグスコーブドリの伝記を読んだほうがいいんじゃないのという気がしないでもない。ますむらひろし版のアニメでは、ジョバンニやブドリたちがトマトスープを飲む場面があったはずだから。いやでもしかし、(アニメとは違って、)賢治の作品にはそんなシーンはなかったような気もするのだ。


わたくしといふ現象は
仮定された有機交流電燈の
ひとつの青い照明です
(「春と修羅」、序)


それなら、ということで、この美しい序文から始まる『春と修羅』の方を読み返している。
すると、詩集のなかの「青い槍の葉」という作品の中にお目当ての言葉を見つけるのである。
(ちなみに「青い槍の葉」とは、田圃の稲の穂のことを指す)


青い槍の葉
(mental sketch modified)

  (ゆれるゆれるやなぎはゆれる)
雲は来るくる南の地平
そらのエレキを寄せてくる
鳥はなく啼く青木のほずゑ
くもにやなぎのくわくこどり
  (ゆれるゆれるやなぎはゆれる)
雲がちぎれて日ざしが降れば
黄金(キン)の幻燈(げんとう) 草(くさ)の青
気圏日本のひるまの底の
泥にならべるくさの列
  (ゆれるゆれるやなぎはゆれる)
雲はくるくる日は銀の盤
エレキづくりのかはやなぎ
風が通ればさえ冴(ざ)え鳴らし
馬もはねれば黒びかり
  (ゆれるゆれるやなぎはゆれる)
雲がきれたかまた日がそそぐ
土のスープと草の列
黒くをどりはひるまの燈籠(とうろ)
泥のコロイドその底に
  (ゆれるゆれるやなぎはゆれる)
りんと立て立て青い槍の葉
たれを刺さうの槍ぢやなし
ひかりの底でいちにち日がな
泥にならべるくさの列
  (ゆれるゆれるやなぎはゆれる)
雲がちぎれてまた夜があけて
そらは黄水晶(シトリン)ひでりあめ
風に霧ふくぶりきのやなぎ
くもにしらしらそのやなぎ
  (ゆれるゆれるやなぎはゆれる)
りんと立て立て青い槍の葉
そらはエレキのしろい網
かげとひかりの六月の底
気圏日本の青野原
  (ゆれるゆれるやなぎはゆれる)


それにしても、”土のスープ と 草の列” である。
賢治とスープ が出会うとしたら、この一節しかなかったと、そんな気がしないだろうか。


  

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